2024年慶應義塾大学理工学部入試問題(数学)の所感

みなさんこんにちは。
数ラボの舟根です。

昨日は慶應義塾大学理工学部の入試でした。

それでは早速今年の慶應義塾大学理工学部の数学の入試問題について,
簡単に振り返ってみたいと思います。

いつも通りの120分大問5題の構成で,
内容は
1 (1) 整数の性質
(2) 漸化式と数列の極限
2 コイン投げの確率
3 微分法・積分法
4 空間ベクトル
5 複素数平面上での軌跡と道のり
といったラインナップでした。

難易度に関しては,あくまで私個人の感想としてですが,
昨年よりやや易化し,例年よりはやや易くらいの印象です。

各大問に関しては,

1 (1) 整数の性質
2024が題材になりました。
約数で6番目に大きいものは確実に正解したいです。
6乗根にもっとも近い自然数は,4を正解として想定していると思われますが,
少々問題が不親切と言いますか,私はここで変に悩んでしまいました。
答えのみを記述するタイプですから,受験生が悩んでいなければ良いのですが。

1 (2) 漸化式と数列の極限
漸化式と極限の典型問題です。
(ⅰ) の不等式の証明は,数学的帰納法で良いでしょう。
(ⅱ) の極限は,はさみうちの原理です。

2 コイン投げの確率
コインが3種類あり,それぞれ枚数が異なります。
(1) はどのコインを取り出すかで場合分けをするだけです。
(2) (3) の条件付き確率も定義通りに求めれば良いでしょう。
(4) コインのタイプがわかるのは,どういう状況のときなのかをしっかりと把握しましょう。
(5) n回投げてもコインのタイプが分からない確率は,余事象の活用がポイントです。

3 微分法・積分法
絶対値記号がついた関数の定積分の価に関する問題。
記述しにくいと感じた受験生も多いのではないかと思います。
(1) 絶対値記号の外れ方が分かれば解決できるでしょう。
(2) 中間値の定理を用いて証明するのが良いのでしょうか。
  図形がイメージできていると,そこまで大げさな話ではありません。
(3) 結局はこれも絶対値記号の外れ方の問題だと分かれば解決できるでしょう。
(4) 平均値の定理の話ですね。xとt_0の大小で場合分けはした方が無難だと思います。
(5) 微分して増減表を作成しましょう。
(6) ここまでの流れから,等号が成立するときに最小となることが分かれば良いです。

4 空間ベクトル
平行六面体についての問題です。
(1) 三角形の面積,垂線の足,四面体の体積といった頻出問題です。
(2) 内積、三角形の面積をtの式で表す,いずれも標準的な問題です。
(3) 平面と線分が共有点をもつ条件も典型問題でしょう。

5 複素数平面上での軌跡と道のり
複素数平面上で,内サイクロイドを考える問題です。
内サイクロイド自体は典型頻出問題かと思いますが,
それを複素数平面上でやるのは新しいのではないかと思いました。
図も与えられているので,考えやすいのではないかと思います。
(1) 円が転がっていく様子をイメージしましょう。
(2) 動点の追跡は,ベクトル的な考え方が良いでしょう。
  そして,複素数平面上だと回転が扱いやすいですよね。
(3) 定積分での道のりの計算は,ルートの解消がポイントです。これは典型頻出問題です。
(4) はさみうちの原理の利用がポイントでしょう。

全体的に,
問題の難易度は例年に比べてやや易しいかもしれませんが,
分量は例年並みであり,相変わらず時間的には厳しい試験だったかもしれません。
私は,1 の (1) で変に悩んでしまいましたが,
一般には,3 が記述しにくい以外は、典型頻出問題も多く,
普段の学習の成果も発揮しやすいセットだったのではないでしょうか。
数学が得意な方であれば,かなりの高得点も狙えるでしょう。
100点/150点くらいが目指せると良いですね。

教室に質問に来てもらえれば,詳しい解答解説もお伝えします。

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