2023年早稲田大学理工学部入試問題(数学)の所感
みなさんこんにちは。
数ラボの舟根です。
昨日は早稲田大学理工学部の入試でした。
それでは早速今年の早稲田大学理工学部の数学の入試問題について,
簡単に振り返ってみたいと思います。
いつも通りの120分大問5題の構成で,
内容は
[Ⅰ]連立漸化式と整数の性質
[Ⅱ]袋から玉を取り出す確率
[Ⅲ]数学Ⅲの微積分
[Ⅳ]複素数平面
[Ⅴ]空間の回転体の体積
といったラインナップでした。
難易度に関しては,あくまで私個人の感想としてですが,
例年よりはやや易,昨年とほぼ同じくらいの印象です。
各大問に関しては,
[Ⅰ]連立漸化式と整数の性質
これの(3)の互いに素の証明が難しく感じた方が多いのではないでしょうか。
これは帰納法&背理法の手法が良いと思われます。
上位校ではよく出題されるトピックスです。
[Ⅱ]袋から玉を取り出す確率
「ポリアの壺」と呼ばれる確率の有名問題が題材だと思われます。
(1)は問題の状況が把握できれば難しくはないでしょう。
(2)で式がきれいに整理できると気持ちよく終われます。
漸化式のような見方ができると処理しやすいのではないかと思います。
[Ⅲ]数学Ⅲの微積分
2023年だとこの問題が最も解きやすいと思われます。
ただし,所々に落とし穴があるので,注意は必要です。
(2)で闇雲にx→∞の極限をとるのはおすすめはしません。
(4)の面積で,問題文の「αとβの多項式で表せ」の指示には,
特に注意したいところです。
これは題意を勘違いした受験生もいるのではないかと思います。
みなさん「多項式」とは何か,ちゃんと答えられますか?
[Ⅳ]複素数平面
典型的な問題ですかね。
(2)までは計算だけで片付きます。
(3)の線分の通過する範囲が難しいのかもしれませんが,(1)(2)をヒントに(3)が考えられれば,かなり良いところまでいけると思います。
[Ⅴ]空間の回転体の体積
これも典型問題ですね。
空間座標でベクトルを利用する。
空間の回転体の体積における断面積の捉え方も,
誘導が丁寧すぎるくらいについていて考えやすいと思います。
全体的に
[Ⅰ]と[Ⅱ]が解きにくく感じ,
[Ⅲ][Ⅳ][Ⅴ]を解きやすいと感じる方が多いのではないでしょうか。
最初の2問が解きにくいので,そこでペースを乱されずに,
後半の比較的取り組みやすい問題から解いていくのが良かったかもしれません。
典型的な問題や有名問題が題材の問題が多かったため,
取れるところでしっかりと加点していって,
数学が得意な方は80点/120点くらいを目指したいところです。
数学ができる方なら,かなりの高得点も狙える程よい内容だったと思います。
平易な問題が2年続いているため,来年は若干難化する可能性がありますが,
早稲田大学理工学部を志望される方にとって,
この2023年の問題は全体的に良い練習になるものと思います。
教室に質問に来てもらえれば,詳しい解答解説もお伝えします。
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